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バリアフリーを新築一戸建てで行うメリット・デメリット

バリアフリーとは、障害のある人が社会生活を営む上で、障壁(バリア)となるものを除去するという概念です。
もともとは住宅建築用語で、広くは障害者の社会的、制度的、心理的なすべての障壁の除去という意味でも用いられます。
バリアフリー住宅は、高齢者や障がい者が、生活で感じる障壁が取り除かれている住宅のこと。
ここでは、家づくりにおけるバリアフリーの考え方についてお話しします。

Contents
1.バリアフリーとは
2.高齢者にやさしいバリアフリーの基準(高齢者等配慮対策等級)
①移動時の安全性に配慮した処置
②介助の容易性に配慮した処置
3.長期優良住宅のすすめ

 

 

 

1.バリアフリーとは

代表的なバリアフリー住宅の設備として、以下のようなものがあります。
①浴室:浴室での転倒を防ぐための手すり。床材を滑りにくい材質を使い、段差をなくす。出入りしやすくするため、扉は引き戸や折り戸。
②廊下:手すりを設置するほか、車椅子での通行を容易にするため廊下の幅を広くとり、スロープを設置する。
③トイレ:足腰に負担がかかる和式ではなく、洋式トイレを採用する。車椅子が入れるスペースを確保し、手すりを設置する。

 

2.高齢者にやさしいバリアフリーの基準(高齢者等配慮対策等級)

総人口に占める65歳以上の割合が28.9%(2021年10月1日現在)という超高齢社会を迎えた日本において、公共施設や公共交通機関、住宅において、バリアフリー化への需要が高まっています。
高齢者にやさしいバリアフリーの基準の一つとして、一般社団法人 住宅性能評価・表示協会による「住宅性能表示制度」における「高齢者等配慮対策等級」があります。

高齢者等配慮対策等級は、専有部分に関するものと、共有部分に関するものがあり、それぞれ1~5の等級があります。
その等級は、①移動時の安全性に配慮した処置、②介助の容易性に配慮した処置、の2項目を組み合わせて判断されます。
①移動時の安全性に配慮した処置
・垂直移動の負担を減らすための対策
高齢者が利用する部屋と、主な部屋とを同じフロアに配置する。階段の勾配を緩やかにし、手すりを設けるなど、事故が起きにくい形にする。
・水平移動の負担を軽減するための対策
段差を解消したり、少なくしたりする。段差がある箇所に手すりを設ける。
・転落事故を軽減するための対策
バルコニーや2階の窓などに手すりを設置する。
・脱衣、入浴などの姿勢変化の負担を軽減するための対策(専有部分についてのみ)
玄関やトイレ、浴室、脱衣室などに手すりを設置する。

②介助の容易性に配慮した処置
・介助式車椅子(自走式車椅子)での通行を容易にするための対策
出入り口、通路の幅を広く確保する。廊下の段差を解消する。
・浴室、寝室、便所での介助を容易にするための対策(専有部分についてのみ)
浴室や寝室、トイレスペースを広くする。
・自走式車椅子でのエレベーターの乗降を容易にするための対策(共用部分についてのみ)
エレベーターやエレベーターホールのスペースを広く設ける。
・階段の昇降を容易にするための対策(共用部分についてのみ)
階段の幅を広くする。

等級は、これらの対策を組み合わせ、その手厚さの程度で評価、決定されます。
これらの配慮が行き届いた家であれば、高齢で体が不自由になった親と同居する際にも、自身が病気やけがで体が不自由になった際にも、安心ですね。
廊下の幅や部屋の広さなどは、改修では大規模な工事が必要になることが多いので、新築の時点で考えておきたいものです。
新築時にバリアフリーの家づくりを視野に入れる場合、ぜひおすすめしたいのが長期優良住宅制度です。

 

3.長期優良住宅のすすめ

長期優良住宅の認定基準は、劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性、居住環境、住戸面積、維持保全計画、災害配慮、の10項目です。
このうち、可変性、バリアフリー性は、共同住宅に限って適用される基準ですが、高齢の親と一緒に暮らす、もしくは自身の将来のことも考えて家を建てるなら、バリアフリー性を備えた長期優良住宅はおすすめしたい選択肢です。

 

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