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大型規模の建築に求められるデザイン・設計に必要なものは?

2024.10.01

店舗や複合住宅、公共施設など、人が集まる大型施設の設計には、目的に合わせた実用性と機能性が必要不可欠です。
ここでは、大規模建築に求められる設計、デザインについてお伝えします。

Contents
1.大規模建築物の景観形成指針
2.大規模建築物も木造へ
3.大規模木造建築物のデザイン
・アパート
・幼稚園・保育園
・レストラン
・病院・診療所
・高齢者施設

 

 

1.大規模建築物の景観形成指針

大規模建築物の建設において重要視されることの一つに、景観への影響ということがあります。
国土交通省では「景観法運用指針」を設けており、建築物の配置や高さ・規模、形態・意匠・色彩・素材など、大規模建築物が街並みの景観を損なうことがないよう、細かな基準を定めています。

 

2.大規模建築物も木造へ

日本の住宅は、およそ8割が木造住宅で占められています。
木造住宅とは、土台や壁、柱、梁などの構造体が木材でできている家のこと。
そのうち、およそ6割が在来工法、2割がツーバイフォー工法で建てられています。
鉄筋コンクリートや鉄骨造に対し、坪単価が比較的安く、設計の自由度が高いところが木造住宅の特徴です。
木材がもつ優れた断熱性や吸湿性が日本の気候風土に適している点や、再生産可能な資材であるところも再評価されるポイントになっています。
古くから、日本の建築の主流を占めてきた木造ですが、大きな「非住宅」に対しては、建物の強さや耐火性といった部分が弱点とされてきました。
しかし近年では、木造建築物の技術が進歩したことや、国の積極的な後押しもあり、病院や学校、店舗などの公共施設にも数多く導入されるようになってきました。
特に高齢者施設や児童関連の施設など、温かみが求められる建物において、人に安らぎを与える木のぬくもりが歓迎されています。

 

3.大規模木造建築物のデザイン

先述のとおり、木造建築は、設計における自由度の高さなど強みを生かし、住宅だけでなく非住宅にも採用されていますが、施設の種類や用途によって、デザインや設計のポイントは異なってきます。
次に、施設や用途ごとに変わる、大規模木造建築のデザイン、設計のポイントについて見ていきましょう。

 

◉集合型住宅

アパートやマンションといった集合型住宅は、単身者向け、ファミリー向けなどさまざまなタイプがあり、また店舗共有型、車庫併設型など、構造も多様です。
子育て世代の多い建物であれば共有スペースに学童保育施設、あるいは学生向けのマンションであればスタディルームやミーティングルームを設けるなど、ターゲット層に喜ばれる設計を取り入れることもポイントです。

 

◉幼稚園、保育園

幼稚園や保育園は、子どもの感性を育む大切な期間を過ごす施設です。
子どもたちがのびのびと過ごすことができる開放的な空間づくりと、耐震・耐火・耐震性などの「安全」を兼ね備えたデザインが求められます。

 

◉レストラン

お店全体が明るく、開放感にあふれたおしゃれな空間が求められます。
仕切ることで個室のように使用したり、間仕切りを取り払って一つの広い空間として使ったり、さまざまなシーンに対応できるフレキシブルなデザインが望ましいでしょう。

 

◉病院、クリニック

不安をや不調を抱えた人の訪れる施設では、温かみのある開放的な設計が求められます。
壁や床は落ち着きのある木製、照明は明るすぎずないよう、間接照明なども効果的とされています。

 

◉高齢者施設

高齢者が安心して利用できる、安全でかつ開放感のあるデザインが求められます。
廊下や階段には手すりを設置し、廊下やトイレは車椅子対応の広さを確保し、床材には滑りにくい材質を使用するなど、バリアフリー性は重要なポイントです。

さまざまな人が集まる大規模建築だからこそ、木造建築の温もりはより良さを発揮してくれることでしょう。せわしない現代社会において、木造の大規模建築は、有意義な選択肢の一つといえます。

 

クリニックから住宅まで。想像を超える、創造的な空間デザインを、お客様とともに。
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山口修建築設計事務所
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