医院・クリニックの新築、リニューアルというのは、思い描いているイメージを建築家に伝え、デザインや設計に取り込み、形にしていくということです。
患者様の利便性、ドクターやスタッフの働きやすい環境の実現などの機能面はもちろん、イメージ通りのデザインと品質をつくるために、どのようなことに注意すればよいのでしょう。
Contents
1.まずコンセプトを明確に
2..クリニック建築に求められる要素
3.クリニックの空間づくり
・待合室
・受付
・診察室
・トイレ
・バリアフリー化
1.まずコンセプトを明確に
クリニックの新築、またはリニューアルを考える際、明確なイメージをお持ちのドクターも多いでしょう。
設計をするときに要望やイメージを持つことは大事なことですが、それ以外にも重要なポイントがあります。
それは、クリニックのコンセプトです。コンセプトにしたがって方向性を決め、イメージをデザインに取り込むことができます。立地や環境との調和も大切な要素です。
ただし、イメージにこだわりすぎるあまり予算オーバーとならないように、節約できる部分は節約し、こだわりの部分にはお金をかけるというように、総合的なバランスを見ながら進めたいものです。
クリニックなどの医療施設や福祉施設など、専門性の高い建築に関し、豊富な経験、知識のある設計事務所に依頼した場合は、施主様の要望を取り入れつつ、専門家の視点を生かしたプラスアルファの提案も期待できるでしょう。
2..クリニック建築に求められる要素
クリニックは、ドクターやスタッフが働きやすく、患者様にとっては温もりのある、居心地の良い空間でなくてはなりません。クリニックのコンセプトやドクターの個性を表現すると同時に、利用者の目線に立った、誰もが過ごしやすく、落ち着くことのできる設計が大切です。
どのようなところに気を配ったら良いか、以下に見ていきましょう。
3.クリニックの空間づくり
◉待合室
不調、不安を抱えた患者様が待つ空間ですので、できるだけ緊張を和らげ、ホッとできる印象を与える空間づくりを行いましょう。子ども向けにはマットや畳を敷くなどしてプレイコーナーを設けたり、ソファやいすの座り心地、デザインに配慮したり、待ち時間を少しでも心地よく過ごしていただく工夫が大切です。
床や壁、天井など、明るく清潔なカラーコーディネートもポイント。ソファやいすなどは、内装と相性の良いものを。また、室内には自然光を取り入れ、空気が循環する仕組み(換気)を取り入れましょう。雰囲気づくりにはBGMも効果的です。
設備の配置にも気を配り、エントランス、受付、トイレ、診察室と、ストレスの少ない動線を工夫したいものです。
◉受付
受付カウンターの使い勝手は窓口担当となる医療事務スタッフの仕事効率を左右します。広さや高さ、形や材質など、あらゆることを考慮しなければなりません。現在、情報のデジタル化は急速に進んでおり、医療機関の受付にもレセコンやパソコン、コピー機、レジスターなど、OA機器が並んでいます。コンセントの位置や電気容量、収納スペースなども合わせて、受付スペースは余裕をもって設計したいところです。
また、患者様にとってもスムーズに動くことのできる動線を配置しましょう。
◉診察室
診察室はドクターが長い時間を過ごす空間です。心地よく仕事ができるようデスクやいすなどを配置し、診療に集中しながらも、全体の様子を把握、管理できるような配置が望ましいでしょう。
◉トイレ
トイレは待合室に隣接して配置します。患者様とスタッフ用、男女用を別々に設けたいものです。自動水栓、ペーパータオルなど、衛生面への配慮も必要です。緊急時のナースコールや手すり、赤ちゃん用のスペースなども設置しましょう。
◉バリアフリー化
不特定多数の人が集まる場として、バリアフリー化は必須と言えます。車椅子の利用を考え、玄関アプローチはスロープを設けるほか、車いす用のトイレ設置も望ましいですね。必要な箇所には、手すりや点字ブロックを設けましょう。入り口とフロアの段差も極力なくすようにします。やむを得ない場合は、段差がわかるように示し、下足場所にベンチや手すりを設置し、動作のストレスを解消するよう配慮しましょう。
クリニックから住宅まで。想像を超える、創造的な空間デザインを、お客様とともに。======================================================================
山口修建築設計事務所
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