狭小地についての明確な定義はありませんが、一般的に15〜20坪以下の土地を指すことが多いようです。
狭い土地や特殊な形をしている土地であっても、快適なマイホームを実現させることは可能です。この項では、狭小地における開放的な空間設計のポイントについてお伝えします。
Contents
1.狭小地に適した住宅とは
2.狭小地を有効活用する空間づくりの実例と注意点
①屋上庭園
②吹き抜け
③スキップフロア
3.快適、安全に住まうためには必須の耐震設計
1.狭小地に適した住宅とは
地価の高い都市部でのマイホームは、狭小地を利用した多層階の住宅がおすすめです。
階を増やすことで床面積も増え、敷地を最大限有効活用することが可能です。
建ぺい率などの制限をクリアできれば、2階より3階建てにすれば、当然ながら広いスペースを確保することができます。
一つのフロア面積は狭くなるため、フロアごとに目的を持たせると、より空間を有効活用することができます。
また、風の通り抜け具合や日照などを考慮して、天窓やバルコニーなどを設置するのもおすすめです。
2.狭小地を有効活用する空間づくりの実例と注意点
①屋上庭園
屋上を活用することで、自分たちの庭を持つこともできます。
たとえば、屋根をフラットにして、きちんとした工事を施すことで、屋上庭園として芝生やガーデニング、家庭菜園を楽しむことも夢ではありません。
また、ある程度の広さがあるなら、ウッドデッキの設置も可能です。
屋外でのバーベキューや花火鑑賞、夜空の星を眺めるなど、家族の楽しみが広がりますね。
(注意点)
最も重要な注意点は、防水処理を施しておくこと。
他の箇所に比べ、屋上庭園の防水加工は割高になってしまうこともありますが、万一、屋上から漏水してしまうと、家全体に被害が及ぶ恐れがあります。
②吹き抜け
上下階を連続させた吹き抜けスペースは、空気や光を有効に取り込むことができ、空間の開放感を演出する効果があります。
とりわけ家族が集うリビングやダイニングは、明るく広々とした空間を確保したいですね。
らせん階段などを利用した吹き抜けも、開放感を感じさせる空間づくりにおすすめです。
(注意点)
吹き抜けを設けた際のデメリットとして、暖かい空気が対流せず、下の階が温まりにくいというデメリットがあります。
そのため、シーリングファンや空調設備などを利用して、空調が調整できるようにすることをおすすめします。
また、吹き抜けの照明器具や梁などは高所に位置するため、掃除やメンテナンスにやや手間がかかります。
高所用の掃除器具などを準備しておき、電球の取り替えなどは、家を建てた住宅会社に依頼して交換してもらうのもよいでしょう。
③スキップフロア
スキップフロアとは、1つの空間を半階ずつずらし、中2階のような空間にしたフロアのこと。視覚的に広さを感じることができるので、開放感のある空間づくりができます。
スキップフロアによってできた段差を利用して、収納スペースを確保することもできます。
(注意点)
スキップフロアを導入すると費用が割高になる可能性があり、施工できる建築会社は限られているので、事前に確認しておくことをおすすめします。スキップフロアの設計に慣れている会社を選ぶとよいですね。
また、吹き抜け同様、壁で区切られていないため、熱が逃げないよう空調設備などの工夫も必要です。
また、スキップフロアを利用した住宅では、通常の2階・3階建て住宅よりも床面積が広く算定される場合もあり、床面積に応じた固定資産税がかかるので、見積もりの際、床面積もチェックしておきましょう。
3.快適、安全に住まうためには必須の耐震設計
3階建て住宅を検討する際、他の家づくり同様、家の耐震構造が重要になります。
地震の揺れは、上の階に行くほど大きくなり、その揺れと荷重により1階から倒壊するケースが、過去、数多く見られています。
耐震構造について、念入りに注意しておくべきでしょう。
屋上庭園や吹き抜け、スキップフロアなども、耐震構造と無関係ではありません。
せっかく狭小地の有効活用ができても、耐震性が低くなっては本末転倒といえます。
狭小地に快適に住まい、同時に大切な家族の命と財産を守るには、綿密な耐震構造が必要です。
クリニックから住宅まで。想像を超える、創造的な空間デザインを、お客様とともに。
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山口修建築設計事務所
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