日本の家づくりには、多種多様の工法があります。地震大国であることに加え、戦後の高度経済成⻑期に住宅供給が求められ、一方では木材輸入自由化などにより海外の工法が輸入されたこともあり、さまざまな工法が採用されてきました。
1構造とは?
①木造軸組み工法
②木造2×4工法(壁系)
2.木造軸組み工法と2×4壁工法のハイブリッド構造
3.構造材に使用される「無垢材」と「集成材」の特徴
①無垢材の特徴
②集成材の特徴
4.構造計算で安心をプラス
5.家の耐久性・耐震性を高める構造を
1.構造とは?
構造とは、建物を支える骨組みのことです。その骨組みをつくる方法が「工法」です。
同じ木造住宅でも、それぞれの工法に特徴があります。
現在、日本の木造住宅は二つの工法が主流となっています。
①木造軸組み工法
日本の伝統的な工法で、在来工法とも言われます。
古くは、石の上に木の土台を載せ、縦に柱を立て、水平に梁を組み合わせて、筋交いという構造材を斜めに入れます。身近な素材である木を用いて発展してきた技術です。
神社仏閣をはじめ、一般も住宅でよく使われています。
耐震性を確保できることに加え、間取り変更などのリフォームに対応しやすいことも木造軸組み工法の特徴です。
②木造2×4工法(壁系)
北欧で始まったのが2×4(ツーバイフォー)工法です。
木造軸組みが軸で支えるのに対し、2×4合板で取り付けたパネルを連続して壁、天井の面をつくり、6面体に組み合わせるという「面」で支えるところが特徴の工法です。
2.木造軸組み工法と2×4壁工法のハイブリッド構造
木造軸組み工法と2×4壁工法の長所を組み合わせたのが「ハイブリッド構造」です。
土台、柱、梁を組み上げた構造材にパネルを張り詰めた、木造軸組みパネル構造です。
「点」ではなく「面」で建物を支えることができ、地震による揺れや強風にも強い構造と言えます。
3.構造材に使用される「無垢材」と「集成材」の特徴
構造材に使用される木材には「無垢材」と「集成材」があります。
それぞれの特徴をお伝えいたしましょう。
①無垢材の特徴
1本の木を製材したものが無垢材。日本農林規格(JAS)によると、接着剤を使わず製材品としてそのまま利用する木材、とされています。
木特有の質感があり、耐久性の高さが大きな魅力です。
土台の構造にはシロアリに強いヒバやヒノキ、柱材にはスギ、梁にはマツなど、木の特性を生かした構造材として長所を発揮します。
半面、個体差が大きく、集成材に比べて割れや反り、収縮が生じやすいのが難点です。
②集成材の特徴
木を貼り合わせてつくられた材が集成材です。
無垢材に比べ、割れや反りが生じにくく、安価であることが最大のメリット。
半面、接着剤を使用して木材を貼り合わせているため、揮発した化学成分によってシックハウス症候群の原因となることがあります。
また、無垢材に比べると耐久性に劣るという難点もあります。
4.構造計算で安心をプラス
地震や強風に強い家づくりにするためには、強い構造や工法に加えて、しっかりとした構造計算を行うことが大切です。
しっかりした構造計算に基づいた設計を行うことで、安心安全な建築が実現できるのです。
万が一の際、家族の命と財産を守るためにも、きちんとした構造計算は不可欠と言えます。
5.家の耐久性・耐震性を高める構造を
家づくりでは、デザインや間取りを優先しがちですが、構造など骨組み部分にも注目し、耐久性、耐震性の高い安心安全な家づくりを目指してほしいと願っています。
とくに国土のおよそ67%が森林で覆われる「森林大国」日本には、良質な木材産地も多数存在しています。
安価な外国産材に押され、多くの住宅建築が輸入材に頼っているのが現状です。
質の良い国産無垢材を構造材として使用することで、良質な建築物をつくるとともに、地方の森林活性化に貢献できると理想的かもしれませんね。
クリニックから住宅まで。想像を超える、創造的な空間デザインを、お客様とともに。
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山口修建築設計事務所
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